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DATE: 2006/04/09(日)   CATEGORY: 未分類
聖遺物に関する(日本語で読める)文献案内
昨日はなんだか曇っているなあ、と思っていたら黄砂だったそうです。花粉もさかんに飛散しているようで、アレルギー体質の私は顔にひどい発疹が出てしまいました。アレルギー治療薬のきついのを飲んだら寝過ごしてしまい、8日に予定されていた「日吉神宮寺跡現地説明会」にすっかり間に合わない時間に起床しました。かなりショックです。

さて、3回にわたって旅行記を書いてきましたが、極力内面の描写を避けて体験だけを列挙しましたので、なんだかいつもの私の文章とは違った感じです。あせって書いているのがよくわかりますね。
このような素人の旅行記を読んでくださるのは、私の知り合いだけだろうと思うのですが、これだけですとまったく何の役にも立たないので、これから聖遺物について、あるいは中世ヨーロッパ世界の信仰について何か読んでみたいと思う方のために、現時点において私が集めた日本語で読める文献(今回は書籍のみ。論文もたくさんあります)をご紹介しておきましょう。おそらく外国語の文献はもっとたくさんあるでしょうし、翻訳されていないものも多いのですが、とりあえずということです。未整理なので刊行年代など順不同であることをご承知おきください。また、書店で入手不可能なものも含まれていますが、「日本の古本屋」などのサイトにはまだ載っていることもあります。関係するものとして、ヨーロッパの風土を知るための本も混じっています。

植田重雄『ヨーロッパ歳時記』岩波新書、1983
小池寿子『マカーブル逍遥』青弓社、1995
  (小池氏の本はこのほかどれも必読です)
池上俊一『身体の中世』ちくま学芸文庫、2001
  (池上氏のほかの本もすべてお勧めです)
青山吉信『聖遺物の世界ーー中世ヨーロッパの心象風景』山川出版社、1999(聖人崇敬や聖遺物信仰もっとも詳しい日本語の本です)
ユッタ・シュトレーター・ベンダー『聖人ーー神的世界への同伴者』青土社、1996(聖人についての基礎知識が得られます)
植田重雄『守護聖人』中公新書、1991
森実与子『聖ヴァレンタイン物語』三一書房、1999
  (ボラギネの『黄金伝説』の安易な焼き直し、内容はすかすかです。読まないほうがいいかも?)
坂口昴吉『中世キリスト教文化紀行』南窓社、1995
谷泰『カトリックの文化誌』NHKブックス、1997
パトリック・ギアリ『死者と生きる中世ーーヨーロッパ封建社会における死生観の変遷』白水社、1999
  (聖遺物の盗難や商品化など、興味深い話題でいっぱい)
カルロ・ギンズブルグ『ピノキオの眼ーー距離についての九つの省察』せりか書房、2001
(あの『チーズとうじ虫』の人です。学生さんには少し難しいかもしれません)
ノルベルト・オーラー『巡礼の文化史』法政大学出版会、2004
渡辺昌美『中世の奇蹟と幻想』岩波新書、1989
  (入門書として手軽で読みやすいです。私が最初に手にした本もこれ。しかし、出典があげられていないので、原典を探すのが難しい)
ホイジンガ『中世の秋』上・下、中公文庫、1976
 (西欧だけでなく、日本中世をやる人でも必読書といえるでしょう。聖遺物をめぐる逸話もいろいろ出てきます)
竹下節子『聖者の宇宙』青土社、1998
 (聖者の一覧表が便利ですが、聖者の認定の仕方には諸説あるようですのでご注意ください)
エミール・マール『キリストの聖なる伴侶たち』みすず書房、1991
(これも聖者についての本。図版多数です)
M.Dノウルズほか『キリスト教史 4 中世キリスト教の発展』平凡社ライブラリー、1996
(わたしのような素人さんにとって、基礎知識を仕入れるのにいい本)

以上が、聖人と聖遺物に関係する本です。旅行記でもお名前をあげました水野千依氏から教えて頂いた文献もありますが、ほかのものは私が自力で探したものなので、果たして西欧中世研究者の目から見てふさわしくないもの、読まない方がいいものもあると思います。ご意見賜れば幸いです。

以下は「お骨」とミイラについての文献です。
松本昭『増補日本のミイラ仏』臨川書店、1993(ルポルタージュですからあまり学術的な内容ではありません。写真が豊富です)
土方正志・酒井敦『日本のミイラ仏をたずねて』晶文社、1996
(これもルポ。ミイラ仏というと、とかくこのようなスタンスからの本が多くなります)
内藤正敏『日本のミイラ信仰』法蔵館、1999
(民俗学者兼写真家、内藤氏の本です。文献もよく調べてありますし、写真の迫力がすごいです)
藤井正雄『骨のフォークロア』弘文堂、1988
 (骨の研究はあまりないので、貴重な本ですが、分量が短いので駆け足で書かれている部分が多いのが残念です。文献の出典を探すのに難儀します)
日本ミイラ研究グループ編『日本・中国ミイラ信仰の研究』平凡社、1993(こんなグループがあるんですねえ。中国ミイラの貴重な写真が載っています。姉妹編もあるそうなのですが、未入手です)
ヘンシェン『頭骨の文化史』築地書館、1974
(本の作りが凝っています。写真資料満載で、髑髏さんの信仰や表象、実際の頭骨変形の文化などを紹介していますが、気味悪いので夜には見ない方がいいです)
このほか、医学書で『骨の辞典』朝倉書店、1995、というのがありますが、立ち読みしただけで買いませんでした(医学書は高いので)。解剖学や考古学からみた骨の研究も探さねばなりませんね。

私が「お骨開眼」したイタリアの骸骨寺とミイラ博物館については多くの人が言及していますし、有名なのではしょりますが、手軽に「おいしいところ」だけみたいという方には、

島村菜津『イタリアの魔力』角川書店、2001

を挙げておきます。興味本位の本ですし、『京都魔界案内』みたいなあやしいテイストの漂う本ですが、怖い物好きの方にはお勧め。とくにうちのゼミにくるような学生さんは好きだと思います。

このように、にわか勉強したわけですが、まだまだ自分なりの答えが出るところまでいっていないので、専門家の方がいらしたらぜひアドバイス賜りたく思っています。
そもそも私が舎利と聖遺物の関係に思い至ったきっかけの一つに、舎利を英訳すると「relics」になるということがありました。外国では舎利は聖遺物の一種として認定されているのだろうか、とそのとき思ったのが始まりです。舎利と「relics」との間に何があるのか、その答えを出せるまでにはもっと考えなくてはなりません。
この文献リストの紹介が、何かのお役に立てば幸いです。

今は聖遺物のことから少し距離を置いて、7月末締め切りの「聖天縁起」についての論文と、同じく7月末締め切りの『検定絶対不合格国語 古文編』という、国語教育への批判の本に力を入れています。
自分でもなにやってんだかなあ、という思いに駆られる毎日ですが、一見つながらないようなテーマが、きっとどこかで結びついてゆくような気がしてなりません。私は来世を信じていないので、生きているうちに好きなことしておきたいと思っています。

次回からは、最近読んだ本や、新入生さんたちへのメッセージなどを書いてゆきたいと思います、

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COMMENT

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くれ | URL | 2006/04/10(月) 00:11 [EDIT]
いつもお世話になっております、くれです。
田中先生のご案内で日吉神宮寺の現地説明会があることを知り、行って参りました。
日吉の専門家のS先生もいらしてました。

もしよろしければ現説のプリントと写真などお見せいたしますが…
● 参考に
榎村です | URL | 2006/04/16(日) 16:02 [EDIT]
『中世都市鎌倉と死の世界』(五味文彦・斎木秀雄編 高志書店 2002)が面白いです。
● 承認待ちコメント
| | 2008/05/15(木) 12:10 [EDIT]
このコメントは管理者の承認待ちです
● 管理人のみ閲覧できます
| | 2008/06/28(土) 22:05 [EDIT]
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