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DATE: 2006/12/04(月)   CATEGORY: 未分類
パワーポイント雑考
>名無しのコメントさん
たしかに、今、マンガ研究は進んでいるようですね。ご教示ありがとうございます。
ただ、おっしゃることがまっとうなので、ぜひお名前かハンドルネームを明記していただきたかったですね。私は小谷野さんと同じく、匿名でのネット発言はおかしい、と考えています。ですから、自分の場合も必ず本名で発言しています。危険は承知ですよ。でも、「物を言う」って常に世界に対して両手をつっぱって自己主張するもんではないでしょうか。そして発言には責任を持つべきではないでしょうか。

さて、今回は最近非常に気になっていたパワーポイント(以後、PPと略称)の授業や講演会における利用についてです。

私がPPを本格的に使い始めたのは遅くて、今年の春くらいからです。授業と講演会で使っています。私の対象分野では、必ずといってよいほど絵巻や絵本などの資料が関わってきますから、それを見せるのにはとてもいいメディアであるし、なんといっても学生たちは「百聞は一見にしかず」派なので、とても便利ではあります。
また、教師としては、PPで画像を解説していると、授業時間が「もつ」という実利的な点もあることを告白しておきましょう。単に文字資料を読んでゆくだけでは、時間がもたないときがありますが、画像があるとそれについていろいろ話しているだけでかなり時間がたちますからね。

ただ、私は単純に画像を並べて見せる、といった技術しかありませんし、それ以上のことはしていません。以前、美術史の研究者の発表を何回か聞いたのですが、PPの使い方が私のようなローテク人間から見ると超絶的でした。たとえば、参詣曼荼羅の空に浮かんでいる月と日がくるくる回ったり、絵本のなかの赤ちゃんが立ち上がったりするんです。もちろん、部分の拡大や「この図像とこの図像が似ていますね」といったことも簡単にして見せます(なぜか、彼らは拡大するとき「よいしょ」と声をかけながら操作していました。不思議ですね)。
私はPPを「電気紙芝居」くらいにしか思っていないので、とにかく画像を見せるためのツールとして稚拙な技巧しか覚えないのですが、美術史の研究者の超絶的技巧を見ていて、ちょっと気になりはじめました。

それは、絵巻や絵本といった画像に手を加えていいのだろうか、ということです。これは、「拡大」などといった、基本的に画像を変えない技術について言っているわけではありません。
たとえば、美しい女性がだんだん腐ってゆく様を描いた「九相図」というのがありますが、九枚のばらばらの絵をつなぎ合わせて「だんだん腐ってゆく様をアニメーションにできる」ということまで出来るらしいのです。しかし、一枚の絵と次の絵をつなぐ図像の変化はいわば勝手に作ってしまうことになりますが、これは果たして「資料」性があるものなのだろうか、と少し不安になりました。
もちろん、画像が動いたりすると見ている方の気を惹きますし、効果は充分でしょう。しかし、資料には手を加えないのが基本だと思います。資料をそのまま見せる(ただ、PPにスライドにした段階において、絵巻の部分を切り取っているわけですから、これも加工ではあるのですが)のが本来の研究でのPPの使い方であると、私などは思ってしまうのですが、どうなのでしょうか?

PPはもともとビジネス用に開発されたソフトですから、アニメーションなどでプレゼンテーション効果を高めることが期待されているのでしょう。しかし、研究という目で見た場合、安易に画像に手を加えることがよいことなのか、私はやや疑問に思います。

また、PPのスライドを作成する場合、私でもインターネット上の画像を切り貼りすることくらいはしますが、この場合、著作権はどうなるのでしょうか?
作りながら、とても心配になります。
というのは、絵巻や国宝、重文、その他の貴重資料を書籍の図版に使う場合、現所蔵者の許可が必要なのは常識です。そして、使用料を要求されることも多々あります(大徳寺真珠庵本百鬼夜行絵巻を使用したときは、一場面10万円といわれましたし、それほど高額でなくても数千円から一万円くらいは払っています)。それが、ネット上に公開された場合、個人的にPPに使っても何も言われないわけです。それは、個人使用という理解のもとに黙認されているのだと思います。
ところが、もしそのスライドをもとにして論文や著書を書いたとき、スライドをそのまま図版にすれば問題でしょう。一部のサイトでは、そうした場合の許可申請をネット上で行える、あるいはその方法を明示していることがありますが、それはまだまだ少数です。

本の図版については長年かなり悩まされてきた私ですので、このようなことを考えてしまうのでしょうが、現実に不法利用としか思えない図版が出回っていることを鑑みると、ネット時代の新しい規範が整備、徹底されるほうがいいのではないかと考えます。

私は著作権については素人で、勉強をしているわけではないので、この問題について今どのような議論がなされているか知らずに書いていますが、もし何かご存じの方がありましたらぜひコメントをお願いいたします。ただし、そのときは必ず記名でお願いします。

次回は、最近こっている「新韓流」と、学生さんにお勧めする本について書くつもりです。
でも、このページ、学生以外の人のほうが読んでいるようですが・・・。

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