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DATE: 2006/02/10(金)   CATEGORY: 未分類
大学教師のお休み時間

やっと入試が終わって、少しほっとしているものの、今は卒業論文の審査と、自分の勉強で手一杯です。
ブログの更新が遅れてしまいましたが、読み返すと誤植がいっぱいありましたね(^^; 学生に「レポートはちゃんと読み返して提出するように」などと日頃言っているのに、なんということでしょう。

さて、今日は、大学教師がお休みに何をしているか書こうと思います。しかし、これはあくまで文系の、しかも日本の資料を対象としている研究者に限ったことですので、理系などの方はたぶんもっと違うだろうと思います。
たとえば美容室に行ったとしましょう。私が一番嫌な質問は、「今日、お休みなんですか?」というもの。研究日や夏休みの平日に美容室に行くことがあるので、美容師さんも不思議に思うのでしょうね。大学教師だと答えると、たいがいはこんな反応が返ってきます。「大学の先生って、お休みが多くていいですねえ」
これを聞くと、いつもいつも嘆息してしまう私なのでした。大学教師が「お休みが多い」というのは、確かに、サラリーマンなどに比べるとそういえるでしょうが、その実態はとても「お休み」などといえるようなものではないのです。
まず夏休みですが、私の勤務している大学は7月いっぱいまで公務が詰まっていますので、実質休みといえるのは8月の一ヶ月間です。その間、外国のことを研究している教員であれば当然のことながら海外へ資料収集に行ったり、フィールドワークに行ったりしますね。日本のことを研究している人ならば、時間的に普段見ることの難しい資料の調査(私ならば、お寺や特殊な文庫で実際の写本や版本を拝見します)をします。そして、たまっている論文や原稿の執筆も・・・。なぜか論文の締め切りを9月末に設定する雑誌や本が多いんです。また、私は毎年夏に本の書き下ろしをしますので、8月は正直言って大学で教えている以上に忙しいです。
8月になると、自分に「戒厳令」をしいて、ずっと執筆(行き詰まると資料調べなどをはさむ)のため座りっぱなし。食事と買い物以外はめったに外出もしません。もちろん、部屋着にすっぴんですので、わざわざ着替えて外へ行く気にもなりません(9月まで一度も化粧しなかった年も多いです)。これが苦しいけれど、本を作り上げてゆく楽しみは一度味わったらやめられないので、毎年同じことをしてしまうのです。
奥泉光氏の『モーダルな事象』という小説には、東大阪のとんでもない短大の助教授が夏休みなんにもしなかった、というくだりが出てきますが、まあ、研究を放棄してしまった人はこんなのかもしれませんね。
しかし、大学で専門的な学問を教えるためには、自分の研究をしなければ絶対だめだと断言していいと思います。10年前のノートで授業するような教師は早く見限った方がいいですよ。研究は、どんな分野でも日々進んでいるものですから。
こうして9月になると、会議なんかがあるので大学へ出て行くことになり、甘美で苦しい夏が終わるのです。春休みは入試業務で忙しいし、結局、「休み」にちゃんと休みがあるのは学生さんだけですね。

でも、これはあくまで私の場合ですので、すべての大学教員にあてはまるわけではありません。理系の研究者なら大学に機材があるので夏期休業中でも毎日大学へ行くでしょうし、文系の人でも研究室に本を置いている場合はやはり大学で研究します。家族のいる研究者なら、大学の研究室を書斎として使っていることも多いでしょう。私は大学が家から遠いのと、必要な本を自宅に置いているので自宅で研究するというだけのことです。自宅ならどんな格好していても誰も何も言わないし、猫もいるし、好きなときに食事やお茶も摂れますので。

このような事情がありますので、「大学教師はお休みが多い」などと安易に言うのはやめてほしいと思いますね。今の時代、勤労者のほとんどがサラリーマン(いわゆる会社員)だからといって、それを基準に考えてもらっても困るのです。人の職業は多様ですし、会社員だけが世の中を支えているわけではありません。「何か」を「ふつう」だと考えてほかを切ってしまうような風潮はとても危険なことではないでしょうか。私は買い物に行って「奥さん」などと呼ばれたら、決して返事しません。40代の女性がすべて「奥さん」だという考え方じたいが古すぎるのです。「この年代はこうあるべき」というような固定観念を持っている人の頭は、きっと古いタイヤみたいにかちかちになっていることでしょう。だから、会社員だって、「会社を出たら、飲み屋で上司の悪口いってりゃいいんでしょう?」と言われたらきっと嫌だと思いますよ。「いいですねえ、学生なんて、遊んでりゃいいんだから」と言われても学生は嫌でしょう?「専業主婦は気楽ですね」というのも禁句ですね。自分が知らない世界のことには想像力を及ぼさない、というのは、感性の怠慢ではないでしょうか。こんな、職業や生き方に対する固定観念を一度壊すべきだと思いますね。

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