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DATE: 2006/04/02(日)   CATEGORY: 未分類
新しい書店にて
長い間更新していませんでした。フランスから帰ってから、旅行記を書こうと思っていたのですが、いろいろなことを考えていて筆が鈍ってしまっていました。
というのは、私は、ブログに日常の雑記みたいなことを書くのを避けていたからです。今は、ネット世界にブログや掲示板は数限りなくありますが、その大半は「ふつう」の人が「今日はなにをした」というようなことをたらたらと書きつづっているのです。それをまったく否定するつもりはありませんが、いくらただで、誰でも自由に「自己表現」(嫌な言葉だ)できるからといって、ネットも「社会」なのですから、そこに何か書く、ということには絶えず責任がつきまとうと思います。匿名であっても、ハンドルネームという別の名前によって書き手の「テクストとしての人格」は規定され、ネット社会に認知されるはずです。そこに、「今日は何を食べて、どこへ行って、あれがおいしかった」というような、個人情報、あるいは、まったく情報として価値がないことを書いてもいいのか、まだ私には疑問があります(まあ、「ふつう」の人の「ふつうの生活」をのぞき見ることに快感をおぼえるようなタイプの人もあるでしょうが)。
ですから、ある程度、書きたいテーマがないと書かないようにしていたわけです。

フランス旅行記は次回にして、今日は、二月末に新しくオープンした、ジュンク堂河原町店(京都、BALビル5から7階)へ、遅まきながら行ってきた感想を書こうと思います。
研究者ばかりでなく、読書家、学生などにとって新しい書店の開店は喜ばしいものです。書店にない本はネットのアマゾンなどで購入できますから、とくに書店に出向く必然性はないのがこんにちの状況なのですが、新規オープン書店には実はねらい目があります。
古書店にもないような本が、たまーに見つかるのです。書店は、開店時のいわばご祝儀に稀覯書や残部僅少本を入手して書店を「飾る」のですね。専門書に、けっこうそんなものが見つかります。だから、新規開店書店には早めに行ってみる必要があるのです(そうした「客寄せ本」、あるいは「うちはこんなに品揃え豊富ですねん本」は、売れると決して補充されませんから、早い者勝ちです)。
ジュンク堂書店河原町店は、閉鎖された京都宝塚劇場下のブックファーストを補うようなかたちで、二月二四日にオープンしました。しかし、BALというビルは、私が小学校時代からあるファッションビルで、いろいろ変遷はしましたが、今でも一階、二階にはファッションブランドのお店が入っています。ジュンク堂が出来てから、明らかにファッションビルにふさわしくない客層がファッショナブルなお店の周りをうろうろするようになりました。
書店は5階から7階までを占めています。先日、仏教大学の斎藤英喜さんから、「民俗宗教の棚まである」といわれていさんででかけたのですが、行ってみると、確かに民俗学のほかに民俗宗教の棚が二棹くらいあって、ほしい本がたくさん並んでいました。群書類従や続群、大正新修大蔵経もあります。しかし、誰がばらでこんな本買うんでしょうかねえ?仕事で必要な人はほとんどセットで持っているはずです。一般のお客さん相手にしては、ちょっと「はずした」品揃えのようです。
ゆっくり見てゆくと、宗教の棚で『俊乗坊重源の研究』の新品を発見、もちろん買う。今、即身仏に凝っているので、『日本のミイラ信仰』が安かったので、買う。おお、東洋文庫もかなりある。2冊買う。手が重くなってきたので、まずはこのへんでレジへ。
支払いをしている間に、「国文学は何階ですか?」と聞くと、店員さんが首をかしげるので、「日本文学ですが」と言い換えると、「純文学ですか?」と言われます。「純文学」などという言葉を知っているだけでも偉いなあ、とも思いますが、私が探しているのは研究書なのでその旨を言ったところ、やはりわかってもらえません。すったもんだの末、五階に文学関係があると判明しました。
五階には、例のごとく『ダヴィンチ・コード』文庫本が山積みになっております。そこで棚を探してゆくと・・・「古典」という棚が、申し訳のように三棹くらい並んでいました。しかし、ほとんどが新日本古典文学全集などの全集ものです。期待しないほうがいいな、と思いつつ「中世文学」の棚に移動すると、嗚呼、棚二段分しかありません。それも、義経ブームに乗っかったような『平家物語』の一般書と『徒然草』関係のものばかり。仏教文学関係などは鼻くそほども見あたりません。
ほかにも文学の棚を見回したところ、若いお客が呼べるはずの文学理論関係も非常に乏しく、これはだめだ、と感じつつ文庫本の棚へ。
娯楽用の推理小説を少し買い足して、レジへ向かいました。文学書への冷淡さにむかついたので、20日から始まる「大絵巻展」(京都国立博物館)の割引券を二〇枚くらいつかみます(学生に配るため)。
後は、医学の棚で骨の文献などを探しました。医学生向けでしょうか、『骨単』という、各部の骨の名称を覚えるための図解書があり、いたく心を惹かれましたが(あれは往年の「シケ単」(試験にでる英単語)のもじりですね)、あまり道楽にお金は使えないので立ち読みしておしまい。『骨の事典』(朝倉書店)にも惹かれましたが、医学書は高いですね・・・。
ビルの外に出たら、変わり果てた河原町の喧噪が渦巻いていました。

本屋さんの個性は重要で、それを把握したうえで有効利用したらいいのですが、ジュンク堂河原町店には、文学関係者は期待しないほうがいいですね。なくなった京都書院が懐かしく思われます。
京都の書店について付言すれば、ファンタジーやSF、推理小説系がお好きな方にはブックストア談をお勧めしておきます。ここは、店員さん手作りのポップが有名で、なかなかよい品揃えです。売ろう、という気概もあるように思います。
うちから三分の大垣書店三条店もなかなかがんばっていますが、奥泉光氏の『モーダルな事象』のポップに、「こんなに厚くて1950円」とあるのには笑えました。イマドキ、推理小説は分厚いほどお得なんですね。
大学生になったら、自分の好きな本屋さんを見つけておくことは必須です。東京のようにいっぱい書店や古本屋さんがあるわけではない関西の事情もありますし。書棚を見て回ることで、「こんな本もあるんだ」という発見をすることも多いです。
本を読まない人にとってみれば、あほなことなのかもしれませんが・・・。

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美川圭 | URL | 2006/04/12(水) 21:28 [EDIT]
田中さん。こん○○は。興味深く拝読しております。
この前、この店に行ったら、
店員の女性が、上司らしき人に。
「あの、この目録にある笠間の本はいらないのでしょうか」と尋ねているのが、偶然耳に入ってまいりました。
そうしたら、その上司らしき人が、
「いらないんだよ、国文学は」と答えていたのです。耳を疑いましたが、たしかにそう聞こえました。何か、陰謀か、あるいは、店長の個人的な怨みでもあるんでしょうか。実に不可解です。
おじゃましました。

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